自由研究のまとめ方


今年も待望の夏休がやってきました。楽しみなイベントもたくさん待っていると思います。一方で、毎年悩みのタネになるのが「自由研究」。「自由」というのがクセモノですよね。そして、まとめるのもなかなか大変です。回答用紙も採点もありません、、

それが自由研究。


ただ、その分だけ「生きる力」が育まれる要素がたくさん含まれています。

「答えがない世界」で生き抜く力の種を育てることができます。

みんなに必要な力(科学的に考える力)、大人になっても必要な力の基礎の基礎が育まれるから、自由研究があるんですね!


先日、OBSラジオ「情熱ライブ!Voice」で自由研究についてお話する機会をいただきました。その一部、自由研究の進め方と意義についてまとめております。


まずは、自由研究の構成をみてみましょう。


  ①「テーマ」  

  ②「目的」 

  ③「方法」

  ④「準備するもの」

  ⑤「結果」

  ⑥「まとめ」

  ⑦「感想」


①、②、③は考える部分、④、⑤は実行する部分、⑥、⑦は、再び考える部分ですね。

これを見るとさらに気がめいるかもしれません、、

少し詳しく見て聞きます。


1)「やってみたいこと(目的)」と「できそうなこと(方法)」を決める

趣味や憧れに準じて考えると、楽しいですしアイデアも湧いてきます。本やインターネットを参考にしたり、お話しながらワクワクする内容を見つけましょう。、やりたい内容を見つけるまで探すのも「探求力」の向上につながります。1つ目のハードルですが、ここを乗り超えると、割とすんなり進みます。何しろ自分の好きなことが見つかったのですから!


【ポイント】

テーマを探しながら、実験の「目的」と「方法」を意識します

 目的 =「何を知りたいか」

 方法 =「どうすれば良いか」

これがはっきりすると、実験にも身が入りますし、まとめる際にも役だちます。

そして、考えれば考えるほど、悩めば悩むほど、「探求する力」「問題を解決する力」が養われます。


2)計画と実行

  先に決めた「方法」に準じて、実験することをイメージして「準備するもの」を書き出してみましょう。この際、準備の負担や実行の現実味などを考えて調整します。「想いをカタチにする力」が養われます。

準備ができたら、早速やってみましょう。

ここはもちろん「実行力」の証!


【ポイント】

早めに取りかかりましょう。実際にやってみると、足りないものがあったり、思ったように進まないことがあります。再検討する時間を見込んで、とりあえず予備実験をやってみるのも効率をあげる秘訣です。もしも、何度もやることになっても、思考が深まってラッキーです。「あきらめずに繰り返す力」「思考力」が高まります。


3)まとめ方

  満足いくまで実験したら、いよいよ「まとめ」です。ここもなかなか気重です。もういちど頭の整理をしてみましょう。


  ①「テーマ」

  ②「目的」        ・・・ 何を知りたい

  ③「方法」        ・・・ どうすれば

  ④「準備するもの」 ・・・ 何を使って

  ⑤「結果」     ・・・ どうなった

  ⑥「まとめ」  

  ⑦「感想」


「目的」と「方法」、「準備するもの」は、1と2)で考えましたね。実験が終わったのですから、何らかの「結果」もあるはずです。その結果を、並べてみましょう。結果が写真や図の場合は、おおざっぱに並べてみます。並べることで頭が整理されます。図や表をつくってみると、結果の比較などしやすくなります。「結果」は自由研究の一番の見どころですので、力が入ります。


「目的(どうして?)」、「方法(どのように)」の部分で考えて、「準備するもの(何をつかって)」、「結果(どうなった)」で実行しました。これらは比較的書きやすいですよね。まずは、気楽にメモ書きのような感じで書いてみましょう。書き出してみると、足りない部分や最初は気が付かなかった「目的」に気づくこともあります。つけ足したり修正したりしてみましょう。「整理する力」が養われます。

あれれ、なんとこの段階で既に自由研究の骨格が出来上がっています!


さて、いよいよ最終段階です。ここからは、考えるパーツ「まとめ」と「感想」です。

これらと結果の違いを意識すると書きやすいです。


  「結果」:実験で得られた事実

 「まとめ」:結果から何が言えるか

  「感想」:自分の考え


「結果」は実験で得られたそのもの(事実)でした。「まとめ」は、結果全体を通して言えることを「目的」と合うように表現します。一言メッセージ、箇条書き(数点)のような形で、結果の要点を書いてみましょう。ここは、「まとめる力」「表現する力」を養うのにもってこいです。


最後に「感想」です。自分の考えですので自由です。「どう思ったか」、「どんなことが想像できるか」、次にやるとしたら「どんな工夫をするか」、「将来、どんなことにつながりそうか」など、思うままに書いてみましょう。「新たな挑戦心」が芽生えます。


【ポイント】

いきなりまとめようとせずに、下書きをすると頭が整理されます。まずは、目的(きっかけ)、方法、そして結果を大まかに書き出します。それらに修正を加えながら、「まとめ」と「感想」を書きます。これら全てを考慮して、人が見てくれそうな「テーマ」を考えるのが進めやすいです。


①「テーマ」    ・・・ 魅力的な題名

②「目的」        ・・・ 何を知りたいか

③「方法」        ・・・ どうすれば良いか

④「準備するもの」 ・・・ 実験で使うもの

⑤「結果」     ・・・ 実験した結果(写真、グラフ、表を含む)

⑥「まとめ」    ・・・ 総じて言えること

⑦「感想」     ・・・ 自分の考え


どの項目も一回で終わらせようとせずに、微調整を繰り返してみましょう。やればやるだけ、どんどん頭が整理されて思考力もついていきます。


【上級者向け】

研究は、用意された答えがないので、思わぬ発見や気づきもあります。偶然の発見など得られた結果に基づき、最初に考えた「目的」を考え直すという裏技もあります。それによって、「結果」の整理の仕方や「まとめ」の書き方も変わります。

「えっ、最初から思ったことと違っても良いの?」と思われるかもしれません。後からとってつけるのは、気が進まないと思うかもしれません。素直な子どもには、いつまでも純粋でいて欲しいですし、正直でいたい気持ちは分かります。しかし、自由研究はそれで大丈夫です。

そもそも、何のために自由研究やるかというと、理科に興味を持つきっかけになったり、行動力をつけるという目的の他にも、「頭を整理して、きちんとまとめたり、表現する」という大切な目的があります。実験や調査を通して、知ったことを、つじつま合わせをして表現する力を養うことができます。

この力はは大人になってからも役立ちます。どんな世界で生きていくにも、自分が思ったこと、知ったことを正直に並べるだけでは、人に伝わりにくくて、ものごとが前に進みません。人に頼む場合でも、自分の気持ちだけを伝えるのと、社会的な意義や貢献を伝えた上で頼むのとは、受け取り方が違います。

自由研究には論理的に物事を考えて、人に伝える力を養う要素が含まれるということです。「科学的思考力」、「論理的思考力」、「主体的で深い学び」など、ずっと輝き続けるための力が養われるのです。学校の勉強と結びつけて考えると、より良いですね。

大人の世界と同じ「自由研究」。もちろん、科学者の研究論文も全く同じです。だからこそ、「生きる力」が育まれます。「ものまね」くらいの気持ちで、自分なりに進めてみましょう。毎年挑戦することで、気がつくと、大人顔負けの力がついているかもしれません。


【テーマ選びのヒント】

料理や植物など、身のまわりのもので色々とテーマがあります。

・ホットケーキが膨らむ理由

・炭酸水の泡について温度別による卵のかたまり方の違い

・なぜ餡かけは冷めにくいか

・植物(カイワレ大根や豆苗)が育つ速さ

・ビー玉が転がる速度と摩擦の関係

・紙飛行機の飛び方

・おむつが水を吸い込む秘密 

 などなど


身のまわりのことは、おおよそ自由研究になります。意識してみると、自分の興味に応じて見つかると思います。

「どんな状況でも楽しみを見つける力」となります。


大人になると、何かしら避けられない困難が待っています。それでも輝いている人は、楽しそうにしてますね。自らで勝ち取った輝きでしょう。

どうしても難しい場合は、一度考えた上で、「自分の趣味や興味あること」+「自由研究」で検索してみてください。ヒントがたくさんあるはずです。もし見つからなければ、大発見のヒントがあるかもしれませんよ!


【さいごに】

自由研究では、こんなにたくさんの力が身につきます。

  「探求する力」

  「問題を解決する力」

  「想いをカタチにする力」

  「実行する力」

  「あきらめずに繰り返す力」

  「考える力」

  「整理する力」

  「まとめる力」

  「表現する力」

  「新たに挑戦する力」

  「科学的思考力」

  「論理的思考力」

  「主体的で深い学び」

  「どんな状況でも楽しみを見つける力」


それも当然。

自由研究は大人の世界と同じ「答えがない世界」への挑戦だから。


「答えがない世界で生き抜く力」

ずっと輝き続けるための力」

これは、きっと親なら誰もが子どもにつけてあげたい力です。


研究に限らず成功する人は皆、「何を知りたいか(何をしたいか)」、「どうすれば良いか」、「次はどうしようか」をいつも考えています。なかなか難しいけど、必ず考えた分だけ力がつきます。いえ、それでしか真の力をつける方法はありません。


だから是非チャレンジしてみてください。

自分なりで大丈夫です。 


身のまわりは科学だらけ。

どんなことでも自由研究になります。

もし、思ったように行かなかった時でも大丈夫。「次にどうしたいか」を書けば、立派な自由研究になりますよ!


自由研究はずっと輝く人生の第一歩。


「興味あるテーマが見つかった瞬間」、「方法を考えついた瞬間」、「次なる課題が見えた瞬間」

そんな瞬間に最高の笑顔が見られます。


楽して充実した夏休みになりますように。

ご相談は「ヒラメキをカタチに変える」うちらぼへ。



自由研究のまとめ方