研究者のジレンマ

こんばんは! このコーナーは前回から、第3章「善玉菌事業を成功させるために」に入りました。 いよいよ研究の醍醐味ともいえる、最も面白く、 同時に研究者としての腕が試される領域です。
今回は、そんな研究開発の現場にある「民間研究者のジレンマ」についてお話しします。
研究開発においては、注目している現象や物質の仕組み(分子制御機構)を解明し、それに関わる因子を発見できれば、その研究の意義は飛躍的に高まります。毎年発表されるノーベル賞の研究を見ても、そのことがよく分かります。 受賞者の多くが、口を揃えて基礎研究の重要性に触れています。
そして、最も難しく、しかし同時にやりがいがあるのが、有用微生物(善玉菌)の特徴と新しい理論を結びつけることです。 大学や研究機関に所属する研究者であれば、製品開発や販売促進を常に意識する必要はないかもしれません。しかし、民間企業に勤務する研究者はそうはいきません。 商品の良さを示すデータ、企業価値の向上につながる信頼性やインパクトのあるデータ、さらには販売促進に活用しやすい成果が求められます。
研究者は本来、真実を追究し、新たな時代を切り拓き、次世代へつながる本質の解明に打ち込みたいものです。しかし、中小・零細企業では悠長なことを言ってはいられません。 一見すると商品とは関係がなさそうな基礎研究(例えば細胞機能の解明)と、商品開発に直接つながる応用研究を同じ視点で捉え、研究テーマを検討し、実行し続けなければなりません。
研究開発の現場では、多くのジレンマに直面します。本来であれば追究したい興味深い研究を断念せざるを得ないこともあり、それは日常的な悩みでもあります。 しかし、それらをひとまず「保留」とし、将来のアイデアの宝庫として蓄積しておくのも悪くありません。
民間の研究者は、まず企業の目標を第一に考え、 そのうえで長期的な視点で夢を追いかければよいのではないかと思います。 会社経営への意識を高め、自らアイデアを生み出し、会社を創り上げていくという決意があれば、自然とそれができるようになるのではないでしょうか。
というわけで、第一線で活躍する研究者であればあるほど、多くの悩みを抱えています。 経営者や営業担当者など、直接研究に携わらない方々にも、このような事情を少し知っていただけると、自社の歯車がよりスムーズに回るきっかけになるかもしれません。
本日はここまでです。
次回は、さらに「民間企業における研究者の役割」について考えてみたいと思います。
どうぞお楽しみに。